浦本修充、表彰台目前の悪夢

Naomichi Uramoto Media Information | 10.19.2020
好調を持続して迎えた2020 ESBKスペインスーパーバイク選手権第5戦ナバラ大会。コロナウィルスが再流行を見せるヨーロッパで浦本修充は感染対策を徹底して、この大会を迎えた。第5戦の舞台となったのは今季開幕戦が開催されたナバラサーキット。北スペインのロスアルコスに位置するこのサーキットは全長3.933kmをテクニカルな15のコーナーで構成されたサーキットになる。
木曜日と金曜日に開催された非計時の練習走行では好タイムを出していた。そしてそれは土曜日の予選にも好影響を与えた。1分39秒843をマークした浦本は予選5番手で決勝レース1を迎えることとなった。
土曜日の午後に開催された決勝レース1。スタートで順位をふたつ落としたものの、3周目には予選順位と同じ5番手に挽回。好ペースでレースを運び、8周目には4番手に浮上した。そして表彰台に向けた走りで攻める浦本。しかし、13周目に悪夢が浦本を襲う。
浦本は最終コーナーで前を走っていたアルコバ選手抜き、3番手に浮上。しかし、アルコバ選手がクロスラインで浦本を抜き返そうとしたとき、アルコバ選手のリアタイヤが浦本のフロントタイヤに接触。浦本はその影響で転倒した。ストレートでの転倒だっただけに、マシンは大破。浦本は運良く、大きな怪我はなかったが、ひとつ間違えれば大惨事になりかねない転倒だっただけに、チームはひと安心をした。
この転倒は浦本のレースウィークを大きく左右する結果となった。今季の浦本が好調な理由のひとつが昨季まで使っていたとは違うフロントフォーク。しかし、決勝レース1での転倒でそのフロントフォークは破損。チームにはそのスペアはないことが判明。決勝レース2は昨年のフォークを使用するしかなかった。浦本は今季の初めからその新しいフロントフォークに合わせて様々なセッティングを熟成してきていた。それが、決勝レース2では使えなくなり、今季まったくテストもしていない昨季のフロントフォークでレースをすることは厳しい状況になることを意味していた。
そして迎えた決勝レース2。朝フリーでテストはしたものの、わずか10分のセッションではなにかできるはずもなく、決勝レース2はぶっつけ本番でのレースとなった。予選10番グリッドからスタートした浦本はマシンの確認をしながらの走行がつづく。しかしそれでも、順位を徐々に上げていき、6位でチェッカー。この状況の中では最高の結果となった。
次戦今季最終戦は11月7日〜8日、ヘレスサーキットで開催される予定です。
浦本修充
「今回のESBKはRace1 DNF Race2 P6 でした。
レース1は2位争いに追い付いて3位に上がったところで抜いたライダーに直線で幅寄せされて接触転倒してリタイヤになりました。そのライダーが表彰台に上がり、コントロールタワーで映像も見て明らかになったのですが、レース2の今日何のペナルティーもない上に、僕がいけないということにされました。今回のこの件に関してはライダーとレースディレクションに対して本当に腹が立って仕方ないです。スペイン国内最高峰しかも1000ccのバイクであんな危ない走りをしてくるライダーと次も一緒に走らないといけないと思うとゾッとしますね。
レース2に関しましてはレース1での転倒でかなりバイクが壊れてしまい、仕様の違うバイクにアジャストしきれず、昨日からかなりペースが落ちてしまいトップグループには全然ついていけませんでした。今回に関してはこれもレースと納得するのが難しいです。心の底から悔しいです。
ですが、調子もかなり上がってきていますので、次の最終戦では納得した形で終わらせられるようにまた引き続き頑張ろうと思います。今回も多大なる応援とサポート、本当にありがとうございました。」
Race Result
予選 5番手 Best Lap 1’39.843
決勝レース1 DNF Best Lap 1’39.440
決勝レース2 6位 Best Lap 1’40.311
ランキング 4位 107 ポイント



All Photos by Francisco Fraile Martin