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清成に「ランキング2位おめでとう!」の言葉は贈っていない

October 20th, 2014

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清成の2014年シーズンが終わった。昨季が終わってから、イギリスでは「もう清成は昔の清成ではない」「もう清成は終わった」「彼を雇うイギリスのチームはないから、日本に戻るだろう」とか色々と叩かれていた。その中で、長年お世話になったホンダを離れ、BMWに移籍をした清成。

このBMW移籍のニュースは世界中の2輪レースファンを驚かせた。最大の理由はホンダを離れることだった。そして、移籍がBSBで一勝どころか、表彰台に上がったことのないBMWに移籍することだった。

MCE British Superbike Championship昨季の終盤で「ホンダ、清成放出」のニュースがBSBパドックの関係者に伝わると、ファクトリー系チームも含む、数チームからオファーが届いた。しかし、この中にBuildbase BMWはなかった。ただ、このチームはBMWを使用する前から、毎年清成についての打診があり、こっちから打診をした。チームは「本当にホンダから出るなら、是非清成をうちで走らせたい」と返事が来た。

最終的に絞った数チームからのオファーを比較すると、条件面と戦闘力だけでは、Buildbase BMWの可能性が一番低かった。最後の決定をする前に清成はまだ候補に上がっていた数チームを訪問することになった。そしてBuildbase BMWを訪れた清成からの連絡は「ここで走りたい」だった。

契約金が一番低く、しかも実績も一番ないチームに清成は行きたいという。一瞬戸惑ったが、清成がそう言うならと、Buildbase BMWと交渉を進め、そして契約に至ったわけだ。

MCE British Superbike Championship正直に言うと、不安はなかったと言えば嘘になる。清成が速いと言うことはわかっていたが、ホンダ以外に乗るのは初めて。大丈夫だろうか?BSBでは表彰台すら上がったことのないチーム。チームはレース好きのヒッケン親子が昔からやっているようなチーム。今ままで清成がいた、ファクトリー系のチームとは間違いなく劣る体制。表彰台は間違いないだろう。運良ければ優勝も可能だろうと言うのが精一杯の期待だった。

現にチームも清成に課した一年目の目標はランキング6位以内、そして1勝だった。プレシーズンテストも終わり、開幕戦へ。この時点でどのメディアも清成はノーマーク。「終わったライダーが表彰台にも上がったことのないチームで参戦してもね……」と書くメディアもあったぐらい、ノーマークだった。

しかし、そこは清成。口では「厳しい」とは言っていたが、なにせ優勝以外はいらないと思うのが清成。流石にこの時点でチャンピオンとは本人も思っていなかっただろうが、彼の頭の中には「優勝」の二文字しかなかった。

140809DR1094そして開幕戦の公式予選で2位を獲得。これでもまだイギリスのメディア「あれ?どうしたんだろう?」くらいの感じだった。しかし、レースを重ねるごとに評価は変わっていった。「昨年の清成とはあきらかなに違う」「昔のアグレシッブな清成が戻って来た」「表彰台に上るのは時間の問題」と変わって行った。そして大きく変わったのは第4戦のノックヒルだった。清成は初日のフリー走行1回目でトップ。フリー2回目は2番手。そしてフリー3回目はトップ。この時点でメディアはすでに「清成復活!」と大きく報じていた。そのまま、ポールポジションを獲得すると、第1レースを優勝した。もうイギリスのメディアはお祭り騒ぎだった。シーズン前にノーマークだったチームとライダーがBMWに初表彰台を優勝でプレゼントしたからだった。そして、次戦の第1レースで2戦連続優勝を果たすと、清成は「チャンピオン候補」のひとりになっていた。

ここまででわずか、5戦。3ヶ月間でこんなにも評価を変えれたのは清成だからだと思う。

140629DR0354その後の快進撃はみなさん周知の通り。最後の最後で負傷欠場をしたが、今季7勝。ランキング2位とシーズン前の目標を大きくクリアした。だが、自分は清成に「ランキング2位おめでとう!」の言葉は贈っていない。それはなんでも「一番」じゃないことを嫌う清成への敬意だと思っている。

清成が今年得たものは大きい。それは新しいチーム、新しいメーカーでも速く走れることが生んだ「自信」だと思っている。

同クラスに参戦する他のライダーたちも最終戦を前にして、多くが「清成にタイトルを取ってほしい」とメーカーの枠を超えて発言してくれた。イギリスのファンたちや関係者は、今季のBSBは清成が一番盛り上げてくれたと思っているはず。それは、最終レースが終わったあとの年間ランキング表彰式で証明された。清成の名前が呼ばれると、表彰台に上がった誰よりも大きな拍手と歓声が沸いた。その時に鳴り響いたファンたちの「KIYO!! KIYO!! KIYO!!」の清成コールは一生忘れない ……

MCE British Superbike Championship

 

 

 

 

 

 

all photos by doublered

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