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カタールにアジアの熱い風が吹く…..

November 23rd, 2013

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2013年FIMペトロナス・アジアロードレース選手権シリーズもいよいよ最終戦を迎えた。その舞台となるのは、MotoGPやスーパーバイク世界選手権も開催されているロサイール・インターナショナル・サーキット。全長5.380kmのこのコースはライダーにとって決して簡単なコースではない。長いホームストレート、低速〜高速までのコーナーが16カ所あり、右コーナーがその内の10カ所。セッティングも難しく、タイヤにも厳しいライダー泣かせのコースだ。

特に、今回はナイトレース。日が沈むと、急激に落ちる気温と路面温度。また、砂漠特有の強い風。ライダーにとってはそれだけでも大変なのに、夕方から走行が始まり、終わるのが深夜近く。日本との時差で言うと、日本時間の深夜から走行が始まり、早朝に終わると言うスケジュール。その時差もあり、夕方スタートとは言え、それまで寝ていられるわけでもなく、テンポが狂う。

その中で、玉田誠はまだ完治していない怪我を押しての出場。鈴鹿8耐で骨折した足首、肩甲骨、そして鎖骨の影響はまだ残った中での出場。特に左肩にはまだ痛みが残り、無理な動きをすると左肩から左手にかけて、激痛が走る。それでも玉田はその激痛に耐えながら、走行を続けていた。

玉田が今年、アジア選手権出場に課せられた仕事はふたつ。昨年、清成がチームに残して行ったチャンピオンシップタイトルを守る事とチームメイトのアズランをチャンピオンに育てること。今季が久しぶりのフル参戦となった玉田は開幕から生き生きとしていた。開幕前のテストから、玉田はCBR600RRに慣れることに手間取っていた。元々、大パワーを誇るMotoGPマシンやスーパーバイクマシンに乗っていた玉田。そこにそれらモンスターマシンとのパワー差は歴然とあるストックに近い600ccのマシンに玉田は「パワーがない」と言い続けていた。スロットルを開けても、自分が思うようにマシンが前に進んでくれない。

しかし、それは当然の事だった。実際、玉田のマシンはチームメイトや他のメーカーと比べても決してパワーに劣ってはいなかった。だが、ハイパワーマシンに慣れてしまっていた玉田にとっては、「まったくマシンが走らない、パワーがない」と感じしまうのは当然だった。現に、清成も昨年のはじめは同じことを言っていた。だが、玉田は「こう言う特性なんだと」理解。ライディングスタイルやセッティングの方向性を変え、シリーズ第3戦にはダブルウィンを果たした。この第3戦終了時点で玉田はランキング2位、アズランがランキングトップと玉田は十分に自分の仕事を果たしていた。

「アズランは速い。速く走る方法は教える必要がない」と言っていた玉田は、アズランに徹底的にレースメークやメンタル面の強化を昨年の鈴鹿8耐から徹底した。今までのアズランはたしかに速さはあった。だが、トップに立つとミスをしたり、優勝ができないでいた。昨年は清成の走りを研究して、速さに磨きをかけ、今年は玉田からメンタル面に磨きをかけていた。その甲斐があってか、あれだけ優勝できなかったアズランがいきなり開幕戦で初優勝。それからも、まったくリタイアすることなく、全レースで表彰台に立ち、ランキング2番手の藤原克昭選手(Kawasaki)と19.5ポイント離しての堂々のランキングトップで最終戦を迎えた。

アズランは当然優勝をして、タイトルを獲りたい。ライダーなら誰もが思う事。玉田もそれは理解しているものの、アズランには「お前の仕事はチャンピオンタイトルを獲ること!」としつこいくらいに言っている。鈴鹿8耐の負傷で第4戦と第5戦を欠場した玉田は、まだランキング4位にいるものの自らのタイトル獲得はなくなっていた。そうなると、アズランをチャンピオンにすると言う仕事が残っているが、玉田がアズランにチャンピオンをとって欲しいのは自分の仕事だからだけが理由ではない。玉田はアジア参戦が決まってから、関係者やメディアなどのインタビューでも、「昨季、あれだけ清成が苦労して獲得したタイトルを必ず守りたい」と常々言っている。それも、アズランにタイトルを獲らせたい理由のひとつだろう。

マネージャーの自分から見て、最近玉田は指導者としても向いているのではないかと思う。自分がレースをしながらでも、アズランや小林龍太、そしてザックアンにもアドバイス続けている。それが予選であろうが、決勝であろうが、彼らの後ろについて、彼らの走りを見て、セッション後に自ら彼らにアドバイスをしている光景を良く目にする。あとは、チームの立場を理解すれば、いい指導者になる予感がする。

さて、いよいよ今日が運命の決勝日。アズラン、タイトルを獲得するか、乞うご期待!

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