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2012年鈴鹿8耐の裏で…..Part 2の1 清成龍一編

January 3rd, 2013

今年の鈴鹿8耐の裏で。Part 2は清成龍一編です。

「優勝請負人」と言われ始めた清成。2010年にハルクプロの鈴鹿8耐初優勝に貢献し、2011年はTSRの優勝に貢献。現役最多の鈴鹿8耐4度の優勝。そう言われるのは理解できます。昨年はカタール8時間に参戦し、Honda TT Legendsに初の表彰台をプレゼントもしました。

自分は清成にとって色んな意味で大きかったのは2011年の鈴鹿8耐だったと思っています。この年の清成はBSBで成績が振るわずにいました。また、BSBのチームが鈴鹿8耐と同じ週末に開催されるシルバーストーンでのワールドスーパーバイクにワイルドカード参戦を計画していたため、一時は清成の参戦はなかったんです。しかし、BSBがそのレースに出場を断念。急遽TSRに第3ライダーとしての登録となった経緯があります。清成にとっては初の第3ライダー登録。ほとんどもテストもしていませんでした。レースウィークになり、鈴鹿入りした清成に最初に言われたのは「秋吉のセッティングで行くから」。清成は困惑していました。第3ライダーとしての役割はなんなんだろうと。各セッションで清成は与えられたバイクにただ走り込みをするだけ。タイムも2分10秒台から11秒台と平凡なタイムでした。しかし、そこが名匠藤井監督。決勝前日にスターティングライダーは清成。そして最低でも3スティント。ドライであれば4スティント走ってもらうと。その判断に驚かせられましたが、自分が一番驚いたのは清成の決勝での走行です。

清成は関係者からは「自分のセッティングでしか速く走れない」と言われたいました。しかし、その清成が決勝レースでいきなり2分7秒台〜8秒台を連発。第1スティントのヘアピンで転倒したというおまけもありましたが、実はあのヘアピンでの転倒を見た時に、「あ、清成は勝てる自信がある」と思いました。それは転倒したマシンを離さなかったからです。マシンを離さないと言うことは、マシンをどうにか最小限のダメージに抑えたいと言う気持ちの表れです。それは、転倒したマシンがグラベルやフェンスまで滑って行けば、ダメージが大きくなるからです。しかし、マシンを離さないと言うことはライダーにとって大きなリスクになります。大きな怪我になる可能性が増えるからです。それでも清成はマシンを離さず、再スタート。ルーティングのピットインをしたのです。その後、チームは優勝。

どうしてこのレースが大きかったと言うと、まずは周囲に「清成はどのバイクに乗っても速い」と印象づけた事。そして、清成がBSBでの不振を振り払う「自信」が回復した事でした。

まぁ、余談が長くなってしまいましたが、本題の昨年の8耐に移りましょう。

2012年の8耐。清成は高橋巧選手、そして青山博一選手と組み、2年ぶりにMuSASHi Harc Proからの参戦となっていました。高橋巧選手は全日本での負傷でまだ完璧ではなく、青山選手にとっては初の8耐(事実上は2回目の参戦ですが、1回目は第3ライダー登録で決勝は未出場)。その中で、清成が頑張らないと行けないと思ったのでしょう。初日からガンガン飛ばしていました。過去2年とは別人のような早い仕上がりで。ただ、Part 1でもお伝えしたように、8耐はひとりのライダーだけが速くても勝てません。そこで、チーメメイト達のアベレージが上げられるようにするためか、「巧と博一くんがいいセッティングで」を徹底していました。彼らがアベレージを上げられれば、自分はライディングをそれに合わせる作戦に出たのです。

そのためか、予選も清成がマークした2’08.580が精一杯。それでトップ10トライアルに進出しました。メディアも関係者もポールタイムは2分7秒台後半ではないかと予想していました。トップ10トライアルは公式予選で6位〜10位までのチームが2回のタイムトライアルを走り、その後に1位〜5位までのチームがタイムトライアルを行う形式で行われました。上位グループで最初にアタックに出たのは高橋巧選手でした。怪我の影響で中々タイムが上がらない高橋選手でしたが、このアタックが2012年のトップ10トライアルを大きく変えた走りを見せました。高橋選手はなんと2’07.624をマークして、断トツのトップにたったのです。

高橋選手のタイムを見て、清成に「お?2’07秒台前半?」と聞くと、「巧がタイムをだしたから、自分は気楽にやってきます」と返事が帰って来ました。「へぇ?そうなの?」と思っていました。その後、誰も高橋選手のタイムを上回ることはなく、清成の順番に。「本当に気楽にやって来るのかな?」なんて思ったのは束の間、タイムアタックに入り、1コーナーの進入を見て、「あ、全然気楽にやってないじゃん」と思いました。清成はここ数年の中でもこんなに攻めていた予選は見たことがないほどの走りをしていました。ヘアピン後の2輪専用シケインではイン側の芝生に落ちるほどの攻めを見せた清成。各セクターで赤ランプを点灯させながら攻め続けていました。そして、2’07.063をマーク。誰もがこの次点でポールは清成で決まったと思っていました。清成も例外ではなかったです。いつもはクールな清成が、戻って来たピットロードで派手なガッツポーズ。ポールを確信したいたのでしょう。自分も派手に清成と抱擁までしてしまいました。BSBでタイトルを獲得した時でも見せなかった喜びようでした。しかし、その後、中須賀克行選手が2’06.845をマーク。清成は予選2番手となってしまいました。中須賀選手のタイムを見て、ふたりで「さっきのガッツポーズ、恥ずかしいね〜」なんて大爆笑してしまいました。

そして、迎えた決勝です。話しは長くなってしまったので、その話しは次回に…..

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